探査対象と目的によって最も適したX線またはレーダ方法の選択

お客様より多数質問をいただくコンクリート内部探査の X線探査と電磁波レーダ探査の違いをまとめました。X線作業主任者や一般社団法人日本非破壊検査工業会認定のコンクリート構造物の配筋探査技術者など有資格者が探査対象と目的によって最も適した方法をご提案、やり直しのない工事をご提案いたします。

X線電磁波レーダ
適用被探査物電線管(CD管・鉄管・塩ビ管・ケーブル等)・鉄筋他金属鉄筋他金属・電線管(鉄管・CD管)※電線管・空洞は条件によって探査可能ですが確実ではありません。
コンクリート厚さ条件によっては厚さ400mm程度まで探査可能ですが、正確に探査できるのは、厚さ300mmまでです。※ただし、電線管より太い鉄筋または、鉄筋が並列している場合は、鉄筋等に重なる部分に関しては、死角となってしまいます。アンテナの種類(周波数)によって異なりますが、条件によっては最大約650mmまで探査可能です。※ただし、一番浅い部分の鉄筋等の真下に関しては、死角となってしまいます。
かぶり厚さ探査不可能
探査可能
探査物の径
探査可能ですが、フィルムには拡大されて写るため、拡大率の計算により求めます。
探査不可能
探査範囲フィルム1枚当たりの探査有効範囲は200×175mmです。機種によって異なりますが、15m以下/回のデータ採取が可能です。
1日の作業量コア抜き等の部分撮影の場合は10〜15枚/日。広範囲の連続撮影の場合は40〜50枚/日です。コア抜き等の部分探査の場合は25〜30箇所/日。広範囲の探査の場合は、約40〜50/m2です。
探査コスト
部分撮影の場合、レーダと比較して一般的に2〜3割高で、広範囲を撮影の場合は、2倍以上になります。
部分探査の場合、X線と比較して割安ですが、報告書作成費を加えると、逆に割高となることもあります。広範囲を探査する場合は、報告書作成費を加えてもかなり割安となります。
確実性電線管・鉄筋等の位置を正確に把握することができ、通線されている場合は、ケーブルまではっきり確認できます。人的ミスを除いては、99.9パーセント以上の確率で判定可能です。鉄筋はほぼ正確に把握できますが、電線管については、条件によって探査可能な場合もありますが、不可能な場合の方が多く、特にCD管等の非金属管はほとんど探査不可能です。鉄筋と電線管の区別も難しく、通常は鉄筋ピッチからはずれた位置にある物を電線管等と判断するため、確実性に欠けます。
安全性エックス線による被曝防止のため、照射時のみ5m以内立ち入り禁止となります。特に人体への影響はありません。
周辺機器への影響パソコン等の機器には影響ありません。カメラ等の生フィルムは感光してしまいます。パソコン等の機器には影響ありません。
総合比較
電線管探査の場合は、現状では確実なものはX線以外にありません。鉄筋探査においては、X線・レーダとも一長一短ですが、鉄筋径の測定が必要な場合や複雑な配筋の場合は、X線の方が効果的であります。
鉄筋探査においては、径は解りませんが、位置及びかぶり厚さはほぼ正確に把握できます。※ただし、間隔が30mm以下の場合や複雑な配筋の場合には、はっきり解らない場合もあります。電線管については、埋設状況によりわかる場合もあります。確実ではないため、一応の目安程度とお考えください。