【業界トピックス】2018-10-25 (木)

かぶり厚調査に必須/鉄筋探査における電磁波レーダー方式と電磁誘導方式の違い

みなさまもご存知かと思いますが、鉄筋探査において、2009 年に改定されたJASS 5 により鉄筋コンクリート建造物のかぶり厚の規定ができました。かぶり厚の確保は鉄筋コンクリート構造物の耐久性に大変重要であり、それを評価するうえで「かぶり厚調査」が重要項目といっても過言ではありません。この調査では、かぶり厚の測定や位置までほぼ正確に計測できる電磁波レーダー方式か電磁誘導方式が第一選択となります。


では、「かぶり厚調査」を含めた鉄筋探査の現場では、電磁波レーダー方式と電磁誘導方式をどのように使い分けたら良いのでしょうか? 両方を比較しながら、有効的な方法を選択するポイントを説明しましょう。


【電磁波レーダー方式とは】

電磁波レーダー方式は、建築物(コンクリート)に電磁波を当てると電磁波が特定の対象物に反 射する性質を利用して、その距離や位置を探知する技術です。 この方式はコンクリート内部の鉄筋や電線管の探査、空洞やひび割れの位置や深度、かぶり厚などを測定することができます。ただし、径や大きさを測定することはできません。探査深度は 200mm から 300mm 程度のかぶりが深い場合でも大丈夫です。探査できる対象は、鉄筋をはじめ、塩ビ管、空洞などが測定可能です。 探査結果は画像でわかるので詳細な解析とデータ保存ができます。


【電磁誘導方式とは】

電磁誘導方式は、コイルに交流電流を流した時にできる磁束を利用して、検査対象物のかぶりの変化によって磁束の幅も変化することから鉄筋の位置や鉄筋径も測定することができます。この方式は、塩ビ管や空洞などの磁力の影響が及ばないものは測定できません。またかぶり厚が大きいほど誤差が出てしまいますので、比較的かぶりが浅い場合に適しています。





【適材適所で方式を選択】

電磁波レーダー方式、電磁誘導方式どちらもメリット、デメリットはありますが、その違いもご理解いただけたかと思います。 まとめると、広範囲に鉄筋の位置や本数を調べる配筋調査では『電磁波レーダー方式』を、そして、かぶり厚調査だけが主な目的の場合は『電磁誘導方式』を選択するのが適切でしょう。また現場の状態によっては両方式の特長を考慮して、先に電磁波レーダーで位置や深さを確認し、電磁誘導式で大きさ(径)を計測することもあります。



【専門性の高いご相談は、ぜひ中央担当者へ】

このように検査する対象物内容によっても探査方法の第一選択が変わってきます。電磁波レーダー方式、電磁誘導方式のご紹介をしてきましたが、鉄筋径の測定が必要な場合や複雑な配筋の場合は X 線の方が効果的なこともありますので、まずは中央株式会社の担当までご相談を。 御社の現場で最適な探査の方法をご提案いたします。



電磁波レーダーの概要と機材スペックはこちらからご覧ください。


電磁誘導方式の機材スペックはこちらからご覧ください。

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