建設などの現場で高所作業を行う場合、安全確保のために作業員たちは必ず「安全帯」を使用しています。私たちにとっては日常的に使用し馴染みのあるものですが、今年から「安全帯」の規格や安全使用のガイドラインが変わりました。そこで、私たちもそれらの変更に伴い、必要な準備に取り組んでおります。
「安全帯」がどのように変わるのか、ガイドライン変更に対し、私たちはどのように対応すべきかを考えてみたいと思います。
【「安全帯」が「墜落制止用器具」になると何が変わるのか】
何が今までと違うかというと、まず、安全帯の【呼び方】が変わります。「安全帯」が「墜落制止用器具」になります。これは法令用語として変更するので現場や社内では今まで通り「安全帯」「胴ベルト」「ハーネス型安全帯」と呼んでも差し支えないそうです。ただし、現行の安全帯の中でも「墜落制止用器具」として認められないものがありますので注意してください。
【墜落制止用器具とは?】
従来「安全帯」と言っていた器具で「墜落制止用器具」として認められるのは「一本つりの胴ベルト型」と「フルハーネス型(一本つり)」です。
ガイドラインでは墜落制止用器具はフルハーネス型(イラスト参照)を使用することが原則です。ただし、高さが6.75m以下(建設業では5m)の場合は一本つりの胴ベルトを使用できます。5m以下の低い位置で作業する時、フルハーネス型だと落下時に地面に墜落してしまう恐れがあるからです。現場の高さ、作業内容によって、「墜落制止用器具」を使い分ける必要があります。
(イラストはフルハーネス型:厚生労働省「安全帯が墜落制止用器具に変わります」リーフレットより引用)
【墜落制止用器具を使うには特別教育受講が必須】
「墜落制止用器具」を使用するには特別教育受講が必須になります。厳密に言うと、「高さが2m以上の箇所であって作業床を設けることが困難なところにおいて、墜落制止用器具のうちフルハーネス型のものを用いて行う作業に係る業務」をする作業員が対象です。
当社の場合、全ての作業員がそれに当てはまるわけではありませんが、今後はフルハーネス型の普及が進むと考えられますので、墜落制止用器具を使用する全ての作業者に対して特別教育を順次実施している段階です。現在のところ、社内作業員の50%以上が特別教育を完了しています。
特別教育は墜落制止用器具に関する知識、使用方法(実技)はもちろん、労働災害防止や法令についても勉強します。安全な現場作業を第一に考え、作業員ひとりひとりの自覚を促すためにも大切なことですね。